2023~24シーズン/ニセコの冬まとめ
気温の高い日が多く、おおむね降雪量は少なかった。12月後半から1月上旬にかけてまとまった降雪の続く時期があり、1月までは平年並みの積雪量で経過したが、2月には気温のかなり高い日があり、早くも雪解けが進んで積雪は減少した。
はじめに
ニセコの2023~24冬シーズンは、11月や12月後半~1月前半にかけて降雪量の多い時期があったおかげで、各スキー場は予定通りの日程で営業を開始でき、ピークシーズンは豊富な降雪を楽しむことができた。一方、2月以降は気温のかなり高い時期があり、積雪のピークは2月上旬とかなり早くなった。以下、詳しくデータを検証してみたい。
樺山観測所の積雪・降雪推移
この図はひらふスキー場に近い倶知安町樺山の自宅の庭で測っている積雪と降雪のデータ。棒グラフは2024年の日々の降雪量、折れ線グラフが今シーズンと過去4年分の積雪推移、Ave.として示している線はここで観測した16シーズン(2007年~2023年、ただし2009年は欠測)分の平均値である。
11月中旬にまとまった降雪が数日続き、積雪が50㎝を超えた。この雪は山麓では一旦融けたが、11月25日から12月1日にかけて再びまとまった降雪となったため、スキー場では予定通りオープンできたところが多かった。
12月前半は降雪が少なく、スキー場のコンディションは悪化の一途となったが、12月後半は大雪となる日が多く、一気に積雪が増えて平年並みの積雪となった。
年末年始は降雪量が少なく、穏やかな天気で経過した。正月明けから1月半ばにかけて大雪となる日が多く、特に1月8日は日降雪量が70㎝と災害レベルの大雪となった。
その後は降雪量は平年より少なく、2月には気温のかなり高い日もあって、積雪は急激に減少した。積雪のピークは例年よりかなり早い2月4日の196㎝で、16シーズン平均の244cmよりかなり少なかった。
2月下旬から3月上旬には寒気が入り、まとまった降雪となる日もあって消雪が極端に早まることはなかったものの、冬の後半は一貫して積雪は平年よりかなり少なかった。
シーズンを通した総降雪量は1170cmとなり、16シーズン平均の1327㎝より少なかった。
旬別の気温・降雪
この表は旬別に倶知安の最高気温、降雪量と札幌上空の気温を平年との比較で示したものである。850hPaはおよそ上空1,300m付近となり、おおむねアンヌプリ山頂くらいの高さの気温。500hPaはおよそ上空5,200m付近となり、冬の雪雲の雲頂くらいの高さの気温である。右側の列には平年差を示していて、平年より高い期間は赤で、低い期間は青で塗りつぶしている(ただし、降雪量は少ないとき赤、多いとき青)。
表の下に記した値は12月~2月(DJF)の平均、11月~3月(NDJFM)の平均、11月~4月(Total)の平均(降雪量は期間合計)である。
12月中下旬や2月下旬、3月上旬など、気温の低かった時期もあるものの、この冬はおおむね気温が高く経過した。
降雪量は11月中下旬、1月上旬に多くなっている他は、平年並みか少なく、特に1月中旬以降は一貫して少なかった。
シーズン初めに寒気が入り、大雪となる期間があったおかげで、スキー場の雪の状況は悪くなかったものの、近年の暖冬少雪の傾向が顕著なシーズンであった。